こんにちは、hirokoです。
ニューヨーク市は3月22日の午後8時から自宅待機令が出て以来、まだ続いています。
そして、さらに6月1日午後11時から2日午前5時までは外出禁止令が出ました。6月2日になってこれがさらに午後8時から明朝5時までに拡張され、6月7日まで継続することになりました。
ニューヨーク州他の地域や周辺の州でも外出禁止令が出ていますが、日時が異なります。
ニューヨークは気がつけば、一番危険な都市になってしまいました!
何が起こっているのか
日本でもかなり報道されているようですが、アメリカのミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人(黒人)ジョージ・フロイドさんが偽の20ドル札を使おうとして店の人に通報されました。その後、警察官に手錠をかけられて拘束され、白人の警察官に首を膝で抑えられているうちに呼吸ができなくなって死亡しました。
ここから、『I can’t breathe』というスローガンが来ています。この後、黒人への差別ということで抗議活動が起こり、今では全米各地に広まっています。
この写真は抗議デモが始まりだした5月30日の夕方に撮ったものです。この時はまだスローガンを抱えて行進をしているだけでしたが、 ”F◯CK” と落書きされたパトカーも見かけました。
映画 “ The Hate U Give(あなたがくれた憎しみ)”
先週英語学校でのトピックが、たまたま人種に関してでした。そして、その時に実際起こった事件(オスカー・グラント事件)を本にしたものをベースにした映画 "The Hate U Give" を観ました。
アメリカでは2018年に公開された映画ですが、日本では2019年にオンデマンドで配信されているようです。
簡単なあらすじは以下になります。
主人公の黒人の女の子 「スター」は高校生。彼女は貧困層のコミュニティーに住み、公立学校に通っていましたが、妊娠などで退学などする子などが多かったため、富裕層の白人が多い私立高校に転校します。そして、白人のボーイフレンドができました。ここから2つの世界で生きることになります。
ある日パーティーに行き、そこで幼馴染の黒人の男の子ハリルに出会います。突然銃撃事件が起こり、彼の車で連れ返ってもらっている途中で重要な事件が起こります。パトカーが来て、ハリルを職務質問したのですが、外に出てヘアーブラシを握った時に白人の警察官に銃で撃たれます。その時に握っていたヘアーブラシが銃に見えたからです。ハリルは元はドラッグの売人で、このことばかりがクローズアップされて報道されます。ここから抗議デモなんかが始まります。
この映画で知った事実は、黒人は子供の時から警察が近づいてきたらどういう対応をしなければいけないのか、家庭で教えられるということでした。
そして、一番ショックだったことは、スターには警察官の黒人のおじさんがいて、彼に職務質問の仕方を尋ねます。
白人に対しては腕を上げるように指示するけど、黒人に対しては銃で撃つしぐさをするということでした。黒人の警察官でさえ、白人と黒人の対応が違うことは衝撃的でした。
授業中とはいえ、この映画を観たときは涙が出そうになりました。
アメリカの現実を知るにはとても良い映画です。
オスカー・グラント事件とは
2009年1月1日にアメリカのサンフランシスコの地下鉄駅構内で、白人の警察官が丸腰の黒人男性「オスカー・グラント」さんを射殺した事件です。
オスカーさんはサンフランシスコとベイエリアの各地をつなぐ公営高速鉄道システム「BART(Bay Area Rapid Transit)」の駅内でけんかをしているとの通報に応じて駆けつけた鉄道警察官らに電車から降ろされ、地面に押さえつけられた状態で撃たれ、死亡しました。この後、オークランドで抗議デモが起こり、参加者が暴徒化して100人以上の逮捕者が出ています。
アメリカでの黒人に対する人種差別
何となくは分かっているつもりでしたが、ハッキリとは知りませんでした。
このエリさんのブログを読むと良くわかるので、シェアさせていただきます⇊
抗議デモの拡大
・5月30日夜になって、NY市内では午後11時現在までユニオンスクエアやグリニッチヴィリッジ、コロンバス・サークル、タイムズ・スクウェア周辺等複数箇所において抗議運動が行われており、ブルックリン等ではNYPDの車両が燃やされたり破壊され、複数の警察官が重傷を負うなど、抗議運動が暴徒化する傾向が観察されています
・NY市では,5月31日、日中の抗議活動は比較的平穏に行われましたが、午後9時半以降、一部の抗議活動が暴徒化し,ソーホー地区の高級ブランド店や5番街周辺の宝石店に押し入り,破壊・略奪行為が行われました。
同日,250人以上が逮捕され,5月28日からの逮捕者の合計は600人を超えています。これまで,抗議活動とNY市警が衝突があった主な地域は,ブルックリン区のプロスペクトパーク付近路上,ブルックリン区のバークレーセンターやマンハッタンのユニオンスクエアパーク等です。
・6月1日夜,NY市では一部の抗議活動が暴徒化し,マンハッタンやブロンクス区等において破壊・略奪行為が行われました。
NY市では,1日,700人以上が逮捕され逮捕者数は計2,000人を超え,負傷した警察官は40人を超えました。
・6月2日夜,NY市ロウワーマンハッタンの一部店舗のガラスなどが割られたケースが複数ありました。
2日,NY市では約200名の逮捕者が出た模様です。
私の住んでいる周りでも6月1日未明だったか、抗議デモの人達の声が聞こえました。
注意事項
在留邦人及び当地滞在中の邦人の皆様におかれては,報道等により最新の情報の入手に努めるとともに,外出禁止令の対象となっていない時間帯であっても不急不要の外出は避け,抗議活動や集会等,人が集まっている場所等を見かけた場合は決して興味本位で近づかず,その場から速やかに離れるようにしてください。また,外出禁止令が発出されている地域においては,必ず外出を控えてください。万が一,警察官から職務質問を受けた際には素直に応じるなど,警察官から指示を受けた場合には従うようにしてください。
加えて、ニューヨーク市警察より,店舗を運営している経営者に対して略奪等の被害を防止する観点から,現金の入ったレジスターや高額な商品は店内から撤去するようアドバイスがありました。市内では被害防止の観点から,外から店内が見えないように内側から紙等で目隠しをする,窓を破壊されないように外側に板を張る,シャッターがあればシャッターをしっかりとかける等の措置をとっている店舗も多いところ,このような措置をとっていない店舗におかれては,防犯対策の参考にして被害防止に努めてください。
参照:
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘイト・ユー・ギブ
https://www.afpbb.com/articles/-/2558377
在ニューヨーク日本国総領事館からのメール
まとめ
・映画を観たり、色々調べたりしていると、黒人の差別問題は根が深いことがよくわかりました。
・どんなに良い教育を受け、仕事が成功し、お金に困らなくなっても、黒人に生まれるだけで、違う環境もついて回るのでしょう。これは差別される当事者しか分からないと思います。そして、生き物に生まれたからには本能的に自分より弱い物を作り、差別をしてしまうものだと思います。でも、社会の中で生きるにはできる限り他人の立場になって考えて行動することが大切です。
・ニューヨークではまだコロナ禍で、自宅待機要請が続いています。そこにこんな事件が起こり、人々の失業、自宅ワーク、自宅授業などのストレスが加わり、今度はトランプ大統領にも矛先が向きデモが暴徒化しているようです。
・抗議デモに加わるには悪くないと思いますが、物を破壊したり、略奪するのは別問題です。
最後までお読みいただきありがとうございました(^.^)
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